ブログ
2017年 3月 5日 急がば回れ
どうも皆様。
井関泰平です。
大学では、無事自分のいきたかった応用数理学科に進学することができました。
また、成績も前期よりかなり良くて嬉しかったです。
さて、今回は
「高3になったし、そろそろ難しい問題集を買わなきゃ」
と考えている方にお伝えしようと思います。
ある日、A君は数学の問題集を本屋さんで探していた・・・
A君「うーん。どの問題集を買えばいいのか分からないな・・・。とりあえず〇大学志望だし、
『究極ハイパー超難問数学(※実際には存在しない問題集ですのでご注意ください)』を買おうかな。」
店員I(背後から)「お客さん。新高3生かい?」
A君「うわっ!?びっくりしたー。急に声をかけないで下さいよ。まあ新高3ですけどそれがなにか?」
I君「そうかい。問題集を買う前にひとつアドバイスをしよう。本当にその問題集を買う実力があるかどうかだ。」
A君「どういうことですか?」
店員I「まず数学の問題の種類について説明しよう。君はCoreとBranchの問題を知っているかな?」
A君「いえ。はじめて聞きました。なんですかそれは?」
店員I「うむ。簡単にいうとCoreはメインの解法だけで解ける問題でBranchはメインの解法だけで解けない複合問題ということなんだ。」
A君「んー?良くわかりません。」
店員I「それでは、具体例を見てみよう。例えば、Coreはこんな問題だ。
『3種類の果物をかごに計10個入れる時の場合の数は何通りあるか?ただし入れない果物があっても良いものとする』
さて君ならどう解く?」
A君「簡単ですよ。まず10個の丸を1列に並べます。
○○○|○○○○○|○○
それを2本の棒で区切ればいいので各○の間のどこか2か所に棒をいれる場合の数を求めればいいので
12C2でしょう。」
店員I「うむ。その通りだ。A君の行ってくれた通りなんだけど、メインの解法つまり場合の数を考えるだけで解けただろう。
これがCoreの問題だ。」
A君「なるほど。」
店員I「一方Branchの問題はこんな感じだ。
『x+y+z=20を満たす自然数(x,y,z,)の組み合わせの数はいくつか。ただし1≦x,y,z≦10とする。』」
A君「うーん・・。ただの場合の数だけではなく、不等式も考えなければいけないのか。」
店員I「そう。これはただの場合の数といったメインの解法だけじゃ解けないよね?
これがBranchの問題だ。」
A君「その二つはわかりましたが、僕はBranchの問題をたくさん解きたいんです。時間もないですし。」
店員I「そうだね。その気持ちもわかる。じゃあA君はCoreの問題は完璧かな?」
A君「もちろん!」
店員I「それでは10問テストしよう7問以上なら合格だ。」
その後テストが終わりA君は5問正解だった。
A君「うぅ。ダメでした。」
店員I「そう。ただこれはA君だけじゃなくて多くの受験生がCoreの問題をマスターせずに難しい問題集に走ってしまうのが現状だよ。
Coreの問題がマスターできないなら当然Branchの問題も解けないよね?だからまだ難しい問題集を買うのは早いんじゃないかな?」
A君「たしかにそうですね。それにCoreの問題をマスターしてからBranchの問題に進むことは時間がかかりそうに見えて実は一番早いですね。
分かりました。もう一度教科書レベルの問題を完璧にしてからまた買いに来ます!ありがとうございました!」
店員I「頑張れよ!少年!」
(完)
また物語風になってしまいましたがとにかく
今はまだ問題集を焦って買う必要はなくしっかり基礎を身に着けてから買ってほしいということです。
まだまだ時間はあるのでしっかりと基礎を完成させてください。
以上
早稲田大学 基幹理工学部 応用数理学科
担任助手1年 井関泰平